TAVI Q&A
Q. 遠方なのですが、慶應義塾大学病院で治療は受けられますか?
A. もちろん受けられます。また、遠方の患者さんの場合、初診外来を省き、直接検査入院頂くことも可能です。詳しくは、TAVI治療の流れ、遠方より受診希望の患者さんへを参照下さい。
Q. TAVIの治療費は?
A. TAVIの治療には健康保険、高額医療制度が適応されます。費用は年齢や所得によって異なりますが、おおよそ5万~20万円です。
例:TAVI治療入院(約7日~14日)の場合(高額療養費制度[一般所得者]を利用)
70歳未満の方 |
70歳以上の方 |
約14万円 |
44,400円 |
※部屋代・食事代は別途必要です ※上記はあくまで概算です
Q. どんな人がTAVIに適応しますか?
A. 一般的には、ご高齢のため体力が低下している、もしくはその他の疾患などのリスクを持っているなど、開胸手術ができない重症の大動脈弁狭窄症患者さんにとって、TAVIが治療の選択肢の一つになります。
Q. 年齢が若くてもTAVIを受けられますか?
A. TAVIが日本で開始されてからまだ10年程度しか経っておらず、それ以上の長期成績がまだ明らかではありません。そのため、現在では60-70歳程度までの患者さんであれば通常、長期成績も担保されている開胸手術が標準治療となります。しかし、これまで何度か開胸手術を受けたり、手術の危険性が高い方などは、TAVIの適応が検討されます。
Q. 自分が大動脈弁狭窄症かどうかを知りたいですが、どうすればいいですか?
A. 気になる症状がある場合、まず一度かかりつけの医療機関とご相談ください。聴診やエコー検査で評価を受けることになります。
Q. 治療による痛みはありますか?
A. 治療は麻酔をかけて行われますので、痛みを感じる事はありません。
治療後にカテーテルを挿入した太ももの付け根に不快感があったり、経心尖アプローチの場合には傷口の痛みが残ることがあります。これらは数日から一週間でおさまります。
Q. TAVIで使われる生体弁の耐久性はどのぐらいですか?
A. 海外の報告1によるとTAVI生体弁留置後10年の追跡調査において、再治療を必要とする生体弁の構造的劣化は6.5%でした。
※1 Sathananthan J, Lauck S, Polderman J, et al. Ten year follow-up of high-risk patients treated during the early experience with transcatheter aortic valve replacement. Catheter Cardiovasc Interv. 2020; 1-7.
Q. 透析患者でもTAVIを受けられますか?
A. 血液透析患者さんは開胸手術が高リスクとなる場合が多くありましたが、これまでTAVIは適応とされてきませんでした。しかし2016年より大阪大学と当院で血液透析患者さんに対するTAVIの治験を開始し、2021年1月に薬事承認が得られ、2月1日より保険償還されました。これにより血液透析患者さんに対してもTAVIを提供できるようになっています。
その他のよくある質問について
検査入院時に治療に備え身体・栄養状態をしっかりと確認します。事前に適度な運動を行っていただく場合もあります。
TAVI後は早く日常生活に戻れるよう翌日から積極的に身体を動かします。
治療後には息切れや胸の痛みがとれ、治療前より活発になる方が多くいます。軽くなった身体に慣れていただき、適度な運動量の目安を確認していただくことも我々の役割です。
リハビリテーション科 理学療法士 福井奨悟