心房中隔欠損のカテーテル治療 AMPLATZER

しんぼうちゅうかくけっそん かてーてるちりょう AMPLATZER

小児患者様へ

心房中隔欠損とは、左心房と右心房の間の壁に穴(欠損孔)があいている病気です。左心房から右心房への血液のもれが生じます。多くの場合には症状はなく、乳幼児健診や学校心臓検診で心臓の雑音や心電図の異常から発見されます。欠損孔を介して左心房から右心房に流れる血液の量(短絡量)によって、治療が必要か決まります。心臓カテーテルや経食道心エコーで詳しく検査をします。手術が必要な患者様が、成人まで無治療であると不整脈を起こす危険性があります。手術では皮膚を切開し、心臓に人工心肺を装着して、欠損孔を閉鎖します。従来の胸骨正中切開法の他、腋窩小切開、胸骨正中小切開をはじめとする小切開法があります。また、心臓カテーテルによる閉鎖治療が可能な場合もあります。当院では、患者様の年齢、体格や、検査結果により、下図のように最適な治療を提案いたします。

ポートアクセス法 カテーテル治療 腋窩小切開法 正中小切開法 カテーテル治療 腋窩小切開法 正中小切開法

カテーテル治療(AMPLATZER) 小児科

皮膚を切開せず、足の付け根の静脈からカテーテルを通して心臓まですすめ、心臓内で閉鎖器具を開いて穴に固定して閉じる方法です。手術と比較して体への負担が少なく、数日で退院できます。穴の形が閉鎖器具に適さない場合や、体格が15kg未満の小児患者様には行っておりません。


循環器病ガイドシリーズ 2014年版 先天性心疾患、心臓大血管の構造的疾患に対するカテーテル治療のガイドライン
 (一般社団法人 日本循環器学会)より引用

成人患者様へ

このたび2010年9月より慶應義塾大学病院を含めて全国の4つの施設で、成人循環器医により心房中隔欠損のカテーテル治療(AMPLATZER)を始めることになりました。

 心房中隔欠損の患者さんは、図のように左右に一対ずつある心房という心臓の部屋の間の壁に、生まれつき穴が空いています(イラスト)。この穴を通して血液が流れるために問題を生じることがあります。そのため、手術により穴を塞ぐのが古くから行われてきた治療法です。一方、最近になり胸を切らずに、足の付け根の静脈から細い管を入れて穴を塞ぐ、カテーテル治療が可能になりました。この方法は従来の外科手術よりもはるかに傷口が小さく、患者さんへの負担も少ない治療法です。

 心房中隔欠損では、こどものころは症状がほとんど無く、成人してから心不全、不整脈などの症状が現れます。日本では保険診療など制度の問題もあり、これまで小児科の先生が中心になってこの治療に取り組んでこられました。しかし、成人の患者さん、とくにご高齢の方は心臓以外にも様々なお体の問題をお持ちのことも多いため、成人の心臓病専門医もこの治療に参加できるよう強く求められてきました。そしてこのたび、2010年9月より慶應義塾大学病院をはじめ全国の4つの施設で、循環器医による心房中隔欠損のカテーテル治療を行うことができるようになりました。


図1.心房中隔欠損症

慶應義塾大学 心臓血管低侵襲治療センターは、循環器内科と心臓血管外科が協力し、日本一患者さんにとって優しい治療を提供します。

 カテーテル治療は負担の少ない優れた治療法ですが、穴の大きさや場所によっては不向きな方もおられます。そうした場合は、外科手術が必要になります。当院では、心臓血管外科のチームがポートアクセス手術、または腋窩小切開法とよばれる最先端の技術を用いて、日本全国からお越しになる多くの患者様の手術を行ってきました(詳しくは心臓血管外科ホームページをご覧下さい)。これらはいずれも外科手術ではありますが、胸骨正中切開(胸の真ん中にある骨を切って行う手術)をせず、小さな切開を用いて行う、患者様にとってより負担の少ない術式です。心房中隔欠損もこれらの方法により治療が可能です。

カテーテル治療、ポートアクセス手術、腋窩小切開法はいずれも、術後の回復が早く、合併症も少ない優れた治療法です。また傷口も小さいため美容上の効果も期待できます。心房中隔欠損があり、閉鎖した方がよいと診断された患者様に対しては、どの方法が最適かを判断し、ベストな方法を提供いたします。

慶應義塾大学病院 心臓血管低侵襲治療センター
Keio University School of Medicine Medical Center for Minimally Invasive Cardiac Surgery

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